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おおよその推定は出来ているが、正確な個体数は不明である。
特定哺乳類生息状況調査(H22、環境省)によれば、日本全国を対象とした場合、
ニホンジカは既存情報の集計で954,224〜1,811,934頭(中央値1,342,584頭)、いろんな
パラメータを駆使して、階層ベイズ法を用いて数値をはじくと684,971〜8,597,522頭
(中央値1,686,294頭:90%信用区間、2007年度)とのこと。
イノシシについては同じく階層ベイズ法により223,120〜1,207,428頭(中央値417,205頭:
90%信用区間、2007年度)という結果が出ている。
これは、様々な既存のデータを寄せ集めて検討を加えたものとして理解しておく必要が
ある。全国一律の現地調査をあらたに行ったわけではない。さすがにそのようなお金も
時間もなかなか無いだろう。
現場で実施されているそれぞれの調査についても、基本的な手法は確立されてきてるが、
精度や効率の向上はいまも研究段階にある。イノシシのように手法が未確立のものもある。
正確な数字を導くことは重要だけど、現段階では、そこまで至っていないのが現状。
基礎調査・基礎研究の重要さが思い知らされるが、そういう分野に多数の研究者とお金を
呼び込むのはなかなか難しいようだ。
幅のある推計値のどこに真実の値があるのかも、色々と考えてみないといけない。
例えば、イノシシは2008年、2009年には全国で30万頭/年の捕獲が行われていて、さらに
2010年の暫定値では、捕獲頭数は40万頭を超えている。
上記の階層ベイズ法による推定個体数の中央値は約42万頭(2007)だが、それが真実の
値だとすれば、ここ数年の捕獲ペースで行けば、個体数はすでに減少に転じているはず
である。自然増加率を低めに見積もって計算すれば、もう絶滅という解も出てくる。
でも依然としてイノシシによる農業被害は減らない。おそらくまだまだ、相当数のイノ
シシが生息しているのだろう。そうすると、イノシシの真の個体数は、中央値の42万頭
よりも上の方にあったということなのだろうな、という気はしてくる。
でも具体的な数字はわからない。うーん。
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