ぼくとがま…

生きものについて、ぼちぼち。

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要約?

直前の記事を簡単にまとめると、こんな感じ。


シカは本来、森の中だけで生きる動物ではなく、林縁の動物である。

シカはある程度の死亡率の高さを前提に生きている。


今の社会状況の中では、シカを森の奥に、山奥に閉じ込めておくということしかできそうにない。

しかし、奥まった森とシカは、そもそもミスマッチ。アンバランス。森が耐えられない。

立派な森とシカの存在を両立するには、シカの個体数増加を抑制する要因が必要。



しかし、個体数を抑える要因である厳冬・多雪と人間も含めた捕食者の存在は、最近調子が芳しくない。

だから森も荒れるし、森では収まりきれなくて、再び低地に降りようとするシカも出てくるというような、現在のシカ問題が生じている。


そんな感じ?

シカの本分?

ニホンジカは森林棲の動物ではなく、林縁棲の動物だと考えるべきだという話がある。

奥まった山に住むのでなく、もっと手前の方が本拠地なんだと。

シカは植食性の動物だ。草本やササ類などをよく食べる。

極相に至ったような森林では、林床にはそこまで多くの植物は無い。安定した環境だが、林床まで届く光は少なくて、多くの草本や低木が次から次へと生えまくる、とはいかない。比較的餌資源に乏しい。

一方、森林の外側は、高木による日射の遮りが無いから、草や低木にとっては条件がよく、たくさん生えてくる。

エサをたくさん得たいなら、そっちの方に行った方がいい。

しかし、草地の真っただ中に立ちっぱなしでは、いざという時、天敵から身を隠しにくかったり、厳しい風雨に晒され続けることになったりして、これも厳しい。

そうすると、餌がたくさんある所に簡単に出向けて、いざという時に森に逃げ込める、という立地が一番都合がいい。
そういう立地こそが、林縁だ、ということになる。


日本に棲む植食性の大型獣としては、ニホンジカの他に、ニホンカモシカがいる。

エサはニホンジカと大差ない。ニホンジカほど悪食ではないという話も聞く。
だったらニホンジカも、林縁にいた方が都合が良いように思う。
しかしカモシカは、まあ、森林棲の動物、山奥の動物として認識されている。
急傾斜でもガシガシ動けたりと、体のつくりも山に向いている。

ニホンカモシカはニホンジカと違って群れを形成せず、一定の縄張りを持つ。
ある程度増えてしまっても、縄張りがあるから、余剰個体は追い出されてしまい、個体密度にセーブがかけられることになる。
これを、少ない餌資源を持続的に利用出来るよう、つまり多数が寄ってたかって林床の植物を食いつくさないようにするためのシステムだと解釈すれば、合点がいく。


山の奥ではカモシカが単独に近いかたちでひっそり暮らす。林縁付近ではシカが群れでワイワイやってる。そういうすみ分けが本来の姿だと考えるのは、そう無理のある話ではなさそうだ。

逆に言えば、両種が同所的に生きていくのはお互いのためにならない。エサを巡って競合してしまう。
現に、四国の剣山など、カモシカとシカが同所的に棲むことになっちゃったわけだが、シカは増加する一方、カモシカの姿を見かけなくなった地域もある。種としては、シカの方が競争力が強そうだ。


ちょっと脱線した。
ところで自然の状態で、森林に縁なんてできるのか?
標高のかなり高いところは、比較的明確な縁がある。気温も低い、風も強いということになると、大型の木本は育たない。
森林限界というやつだ。そこから先はハイマツのようなちょっと変わった低木や、真の高山植物の天下となる。
しかし、たしかに林縁はできるんだけど、シカが定住するには環境が厳しすぎる。(←最近は進出してきてるが…)

じゃ、標高の低い方はどうなんだ?
海沿いまで森林が成立できるじゃないか。
低地側の林縁は、森林と海の境界ではないか。
シカが海に飛び込んで、ワカメばっかり食うのか。

その通りだ。

というのはウソだ。

出水でよく攪乱されるとか、理由は何でもいいが、大木が安定して育つには厳しい条件の場所はそれなりにある。
だから標高が低い場所でも、ちゃんと森になる所と、そうではないところの二つが存在する。つまり林縁はできる。

海に近い貝塚でもシカの骨はたくさん見つかる。ご先祖様が、わざわざ何十キロも離れた山にシカを狩りに行くとも思えず、低地にもシカが多数いたのだろうと思う。樹林と氾濫原が混じりあうような川沿いの低地なんか、結構シカがいたんじゃないか。というか、むしろそういうところが本拠地だったような気もする。
太古の昔は、そんなところでオオカミや人間に追いかけられながら、暮らしていたんでしょうかね。
雪深い年も今より多かっただろうから、越冬できず死ぬ個体も多かっただろう。
林縁で、ある程度の死亡率も織り込み済みで生きていく。それがシカ。ってことか。

そんなイメージを絵にしてみると、こんな感じ?
イメージ 1

(青はシカ。赤はシカの生息を制限する要素、捕獲者や雪ね。地形や植物は、見た通りの感じで)



しかし、農業が盛んになってくると、そういう場所はどんどん田畑に、集落に、「里」に変わっていく。

さすがのシカも、人間とバッティングしたくない。既に人間のテリトリーになってしまった場所をのうのうと歩いていてはまずい。
そうすると、生息の拠点を人のあまりいない山の方に移して行くしかない。

山の方は山の方で、昔のままではない。人為によって生産性が高い二次植生も広がっていく。薪炭林もあれば、肥料や家畜の飼料に活用するための草地もあった。シカの好みそうな林縁環境が山の上の方にも用意された。林業で発生する伐採跡地もある。シカはそこでとりあえず暮らしていける。

あわよくば、隙を見て里に出て、大根でも齧ってやろう。そんなシカもいただろう。
しかし、そこは、勘弁してもらえなかった。
カカシやシシ脅しでびっくりさせられる。
シカを捕獲せんと人間が追手として迫る。
人間にとっては農業被害を押さえつつ、蛋白源や皮革素材の確保もできる、一石二鳥のシカ狩りだ。
大人数での巻狩りは、地域の連帯感を生んだり、あるいは血気盛んな若者にはよいレクリエーションにもなっていたかもしれない。

かくしてシカは低地にいられず、人目を忍んで山に暮らすようになる。人による捕獲もだんだん進んで、個体数も下がってくる。
イメージ 2



しかし時代が進むと、また様子は変わってくる。

低地では相変わらず人が生活している。
山は、かつて二次林や草地だったところが、どんどん鬱蒼とした森に遷移していく。

雪は減った。オオカミもいない。野山に分け入ってシカを獲るハンターも減った。

しかし、低地に降りるには至らず、シカは森林の中で徐々に増えていく。
イメージ 3



さて、シカは林縁の動物のようだ。
生産性の高いところで、ある程度の集団でわっしわっしと植物を食う。それが本分のようだ。
でも、森林の内部に追いやられた。

次から次へと料理が出てくる食べ放題のビュッフェに通っていた大食漢が、急に、食糧に乏しい避難所生活を始めさせられたようなもんだ。
今までのノリで食いまくると、すぐに食料は底をつくのだ。

シカが森のみに依存して生息するというのは、無理があった。
遅かれ早かれ、餌資源となる林床植物の枯渇を招き、いずれ森林を衰退させるものだった。

強い捕獲圧、越冬を困難にさせるほどの厳冬・多雪など、色んな要因がシカの数をある程度セーブしてきたから、これまでは何とかなっていた。

いまやそういった要因が無くなったり、消えつつあったりする。

そんなふうに考えてみると、森林が大きな影響を受ける例が増えてきたのも、納得。
もっと餌をよこせと、人里に下りてきて、農作物を食す例が増えてきたのも、道理。
鳥獣被害の激化で営農意欲を失い、中山間の衰退も加速する。

そんな現状を描いてみるとこんな感じになるのかな。
イメージ 4




腑に落ちないところもまだまだあるけど、大筋としてはそんな感じなのかな〜と思い始めた。




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