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昆虫

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キマダラカメムシが(だいぶ前に)いましたよ。
読んで字のごとく、黄色いまだら模様を持つカメムシで、非常にわかりやすいネーミングです。
やはり命名はこうあるべきですね。
横から見るとこんなん。
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それはさておき、本種は外国(東南アジアあたり)からやってきた、いわゆる外来種です。日本には大分古い時代にやってきたようで、1700年代には長崎の出島で確認例があったそうです。
島原半島にいたときは、あまり見なかったですね。私はちょっと標高の高いところに住んでいたので、南方系の外来昆虫は定着しにくかったのかも。
現在私は仕事の都合で岡山に引っ越しておりますが、このキマダラカメムシが多いこと。
岡山にもさぞ古い時代に入ってきたのだろうと思いきや、初確認は2005〜6年との情報も。
初確認=初侵入というわけではありませんが、侵入地ではかなり早くにメジャーな存在になるようです。
岡山とはいえ、冬場はそれなりに冷え込みます。越冬能力は結構高いのでしょう。天敵もあまり存在しないのかもしれませんね。
東海や関東地方でも最近見つかっているようです。どんどん分布を北上させていきますね。このスピーディな分布拡大は、自力ではちょっと無理でしょう。
国内物流に便乗している感じですね。この先どこまで進出するか、楽しみ…にはなれませんね。ゆゆしきことです。
この個体は植栽されたサクラ(ソメイヨシノ?)の幹から吸汁しています。
他のカメムシと同様、多く増えると、樹木害虫として防除の対象となってしまうでしょう。
在来植物、在来カメムシとの関係はどうなんでしょう。定着・繁殖能力は高そうで、どこかにオカブを奪われるカメムシがいてもおかしくはないかも、と思ったり。

ということで、長い間放置してきたブログの再開に備え、準備運動を始めています。
更新もないのに訪問頂いた方々、ありがとうございました。
まだ寒いので、あんまり記事は増えないと思いますが、思い出したらまた来てくださいね。
哺乳類や鳥類は好きだが、両生類や爬虫類はあまり好きではなく、ましてや昆虫など
大嫌い、存在価値が無いと言ってのける方がいらっしゃいました。

曰く、哺乳類や鳥類はふさふさした毛が生えていて、モフモフ感が感じられて、かつ
つぶらな瞳で可愛いからとのこと。
逆に昆虫を嫌うのは、毛がなく、ゆえにモフモフせず、機械的で無表情で、非生物的
な感じが強調されるからだそうです。

動物の存在価値が毛の有無で決まるのでしょうか。
モフモフしていればよいのか?モフモフこそが正義なのか?

ならば見よ!

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セダカシャチホコがいましたよ。

モフモフです。つぶらな瞳(但し、複眼)です。ぬいぐるみみたいです。

まず胸部背面には、モヒカンのように逆立つ毛が生えています。モフモフ。

各肢の腿〜脛節あたりも深い毛におおわれます。モフモフ。

頭部周辺にも毛がふさふさしていて、複眼の縁は毛に隠れています。モフモフ。

全体的にモフモフ。


セダカシャチホコはクヌギやコナラなどのブナ科植物を食草とする、広葉樹林周辺で
見かける蛾の仲間です。
雑木林に隣接した街灯などがあると、よく本種が飛んでいたり、地面に突っ伏したり
している様子を目にします。

種名は、背が高い鯱蛾の仲間という意味のようです。
といってもノッポなのではなく、モヒカンのような体毛生えているので、背面が高く
盛り上がっているように見える、ということでしょうね。

いやぁ、それにしてもモフモフ。
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コクワガタがいましたよ。

小さなクワガタムシという意味の種名ですが、もっと小さなクワガタムシもいますから、
実際は中型ぐらいだと思ったりしています。

成虫は樹液などに集まります。
この個体も、いつもの樹液スポットに来ていました。

今回はこいつの貸切状態のようです。
並みいる強豪を蹴散らしたわけではないでしょうね、きっと。ライバルが帰るまで待って
いたのでしょうかね。


クワガタムシには、「小型」と呼ばれる個体がいます。
成虫になった際の大きさが、ずいぶんと小さくなるやつがいるんです。

もちろん別種ではなく、また小型の子孫は代々小型というわけでもないです。
小型個体の子が通常(大型)個体となることも、その逆もあります。

クワガタムシの幼虫は朽木の中で、朽木を食べながら育ちますが、この時に栄養が足りな
かったり、高温環境で育ったりすると、成虫のサイズが小さくなることがあります。

十分な栄養がなければ、なかなか大きくは成長できません。
大きくなるまで何年でも待つのも手ですが、餌となる朽木の質が向上していく保証もなく、
ジリ貧になっていく可能性もありますし、寿命の問題もあります。

また、極端に暑い場合も生息には不向きです。
もし付近一帯が暑くなっているのなら、個体群全体あるいは世代間にまたがる大問題でも
あります。もし気温が上昇傾向にあったとしたら、我慢すればするほど致命的になります。

だったら、早々に見切りをつけたほうが良いかもしれません。
サイズが小さくても、繁殖能力を持つ成虫になりさえすれば、子孫を残せる可能性はある
わけですし。幼虫のまま息絶えるよりマシです。
幼虫に比べれば移動力も飛躍的に高まるので(移動の面を考えれば、体サイズが小さな方が
都合が良かったりします)、もっと栄養価の高そうな朽木を見つけることも、生息に適した
涼しい場所を見つけることも可能で、もしそれが叶ったとしたら、子孫はより良い環境で
育つことが出来ます。

そう考えると、この「小型」というのは、なかなか理にかなっていそうです。
クワガタ飼育家にはあまり歓迎されないかもしれませんが…。


さて、小型になった際の変更点は、全体のサイズだけではありません。
大あごの形状も変わることがあります。

概ね、大あごが小さくなり、突起の数が減ったり、種によっては形が全く異なる(ノコギリ
クワガタが有名でしょうか)こともあります。

コクワガタの大あごは、通常は真ん中あたりに突起があるのですが、この個体ではすこし
盛り上がっているくらいで、トゲのようにはなってません。
こいつは、コクワガタの小型♂というわけです。
厳しい幼虫時代を過ごして来たのでしょうかね。


幼少のころ最も多く捕まえたクワガタは、本種だったと思います。

剥がれかけた樹皮の陰や、木にくくりつけられた樹名の説明板の裏側、樹液の滲み出して
いる場所と、色んなところで見つかりましたからね。
窓灯りに飛んでくることもありました。

小さくても、シンプルな大あごでも、クワガタはクワガタ。
見つけると、「またコクワかよ〜」とか言いながらも、内心嬉しかったなぁ。

友人が田舎から持って帰ってきた、ヒラタクワガタと格闘させると、一発でノックアウト
されてたけど…。
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オオミズアオがいましたよ。

コイツも道路沿いの街灯に誘引されてしまった個体です。
路面でのた打ち回っていたので、捕まえて近くにあった木の枝に止まらせたところを撮影しました。
今回はやらせ写真なんです。前翅の中央部に擦れた跡があるのは、ぼくがつまんだからなのです。


きっと、本種をご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。
かなり有名な蛾ですし、キモーイキモーイと毛嫌いされることも他の蛾に比べ少ない(多分)という、
珍しい蛾でもあります。

シンジュサンほどではありませんが、開張は100mmを超える大型種。目立ちますね。
幼虫はバラ科やブナ科、カエデ科など、広範な広葉樹を食べて育ちます。悪食な方かもしれません。


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本種の特徴はなんと言っても、この色彩でしょう。
ほぼ全体が青緑色〜黄緑色がかった白色という、大胆なデザイン。「ほぼ全体」というのがミソで、
前翅の前縁から前胸部、そして各肢にあしらった紅色、各翅にある光沢を持ったような目玉模様が
いいアクセントになっています。
アールの効いた柔らかい感じの形態とあいまって、涼やかで高貴かつ妖艶な雰囲気で、さながら
羽衣を羽織った天女といったところでしょうか。

世界には本種に近縁(姿かたちもそっくり)な種が何種かいるわけですが、そのうちの1種の学名は、
Actias artemis といいます。また別の似たような種は、Actias seleneと名づけられています。
両者の種小名「artemis」「selene」には共通点があります。どちらも神話に登場する、月の女神の
名前(アルテミス、セレーネ)なんです。
月の女神とは言い得て妙です。ずいぶんと粋な分類学者さんがいらっしゃったのですね。

また、この仲間を総括する呼び方として、Moon moth というのがあります。
さらには、学名をActias luna(=月)、通称をLuna moth という種もいます。
どうも西洋の文化圏では、この蛾に対して、月のように涼やかで神秘的なイメージを持つ人が多い
ように思われます。

和名の「大水青」という、大きさと色味を表した種名との対比も面白いですね。


対比が面白いといえば、中国名は欠かせません。
(というか、和名、英名以外では中国名しか知らないんですけど・・・)

中国ではオオミズアオの仲間のことを何と呼ぶか。
調べたところ、○○(←長尾、緑尾といった語句が入ります)大蚕蛾と呼んでいます。

オオミズアオを含むヤママユガの仲間は、カイコのように糸をつむぎ、繭を作ります(カイコとは
別の分類群ですが)。
その繭を使って、絹糸を作り出すこともできます。ゆえに同類視されることもあるわけです。
日本ではヤママユガ等のことを、飼育下にあるカイコ(=飼い蚕)に対し、山に住む野生の蚕の意で、
ヤマコ(山蚕)と呼んだりします。

中国でもどうやら同じ傾向にあるようで、ヤママユガの仲間を大きな蚕=大蚕蛾としています。
ということはつまり、中国では、その種の生態的な特徴(に基づいたある種の分類)を表した種名を
用いているわけです。

お国が変われば感性も変わり、生きものの呼び名も変わることも多いんですよね。面白いなぁ。


ぼくの個人的な好みでは、月をモチーフにした種名がいいなと思います。
形態や生態を織り込んだ和名・中国名も捨てがたいのですが、本種とその仲間を月になぞらえた
センスには脱帽です。
Moon moth、日本風に表現するとどうなるんでしょう。直訳して、ツキガ・・・では無味乾燥です。
ここはひとつ、ツクヨミガとか、イザヨイガとか、そのあたりがしっくりくるかなぁ。

いやいや、しかしまあ、オオミズアオというのもやっぱりいい種名ですね。和色の名称のようで、
いいセンスしてますよ。


さてさて、本種の目玉模様は小さいながら、かなりくっきりはっきりしています。
瞳孔?にあたる部分は細長く、ネコのようでもあり、マムシのようでもあります。
しかも4つもあります。二つしか目玉模様を持たない種に比べ、効果も二倍あるんでしょうかね。
っていうかそもそも、この白い翅に目玉模様という意匠、鳥から見るとどう映るんでしょう。

保護色の中に浮かぶらんらんとした目玉よりも、インパクトに欠けるような気もしますが・・・。



補足
じつはオオミズアオもちょっと前までは、Actias artemis という学名でした。
しかし、最近になって精査を進めたところ、Actias aliena(=他の、外の〜の意。西欧から見て、
はるか遠い地域に産することから、外界の、異国のActias属の蛾というふうな命名になったんで
しょうかね?)であることが明らかになりました。
オオミズアオ=月の女神様という面白いネタがひとつ使えなくなってしまって、ちょっと残念に
思ったりしますよ・・・。
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シンジュサンがいましたよ。

街灯につられて飛んできて、道路端の金網につかまって休憩中のようです。
バックが金網だとなんとも絵になりませんが、これも灯火につられて来て
しまったという生態を表すものになるんかな。


本種は開張140mmほどになる、大型の蛾です。
ヤママユガやオオミズアオよりもインパクトのある蛾ですね。


非常に広範な植物を食草と出来る、ある意味悪食の蛾でもあります。
種名の由来ともなったシンジュ(ニワウルシ)のほか、クヌギ、クスノキ、
エノキ、ニガキ、エゴノキ、ネズミモチなどの広葉樹を食べて育ちます。
それぞれの植物は、含有する成分にずいぶんと違いがありそうなんですが、
お構いなしで育ちます。ずいぶんと立派な消化器官をお持ちのようで。


意匠も秀逸だと思います。
基本的に、茶色と白という地味な色の組み合わせなのですが、その濃淡、
グラデーション、配置がこれまた絶妙で、美しい。

さて、このシンジュサンも、目玉模様を持つ蛾であります。
パッと見ではあまり目立ちませんが、前翅の先端をじっくり見てみると…。

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ほら、ここに目玉があります。

そして、翅の端部の形・模様とこの目玉をセットでしばらく眺めていると、
何かに見えてくるはず…。


鎌首をもたげたヘビに見えませんか?

丸っこい頭に丸い目がついてて、翅の縁の模様が蛇腹っぽく見えませんかね。

分かりやすい(ただし下手な)図解は以下の通り。

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本種の天敵である鳥類の天敵のうちの一つに、アオダイショウなどのヘビが
挙げられます。
つまり、本種は天敵の天敵の姿を借り、天敵を牽制しているというふうにも
考えられていたりします。

実際に鳥の目にどう映っているかはよく分かりませんし、その威嚇の効果も
どれほどあるのか分かりませんが、もし上の例の通りなのであれば、本種は
なかなかの戦略家ですね。

それから、この形質を獲得し、現在も生き残るに至った経緯を知りたいです。
どのあたりからヘビに見えるようになったんだろう・・・。

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