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淡褐色のかっこいいナナフシがいるなと思って近づいて見ると、 おや、翅があります。 こちらの画像の方が翅があるのが分かりやすいかな? 一般的にナナフシというと、エダナナフシやトゲナナフシなどの ように、翅の退化した種を想像しがちなのですが(下画像参照)、 中には 「せっかく獲得した飛行用の器官を、みすみす手放すものか!」と、 翅を持ち続けている種類もいるわけです。 そのうちの1種が、このタイワントビナナフシです。 もっとも、体のサイズにしてはサイズの小さな翅なので、トンボや ハエのようにぶんぶん飛び回る機動力こそありませんが、6本の脚で せかせか歩くよりは効率的です。木の梢から梢へ移動するときなど、 わざわざ地上に降りなくても済みますからね。 国内分布は九州以南。地球温暖化のせいなのか、近年では本州での 目撃例もあるようですが、あまり目にする機会はないでしょう。 ウェブサイトや書籍によっては、結構珍しいと記されていることも ありますが、九州に住んでいると、いるところにはたくさんいると 言う印象を受けます。 また、一般的に、ナナフシの仲間は卵を地上に産み落とす性質が あるのですが、本種は木の葉に直接産み付けるそうです。 九州以南では常緑広葉樹林が発達しているので、健康な葉に卵を 産み付ければ、卵はずっと木の上に存置されます。 きっと幼虫も樹冠の中で育ち、成虫は樹冠を飛び回る…という、 基本的には殆ど地上に降りることは無い、樹上生活に特化した種 なのかなとも思うのですが、まったくもって推測の域を出ません。 それから、本種は臭いです。 刺激を与えると、植物の根のような、土臭いような青臭いような 臭気を出します。ナナフシが臭うなどと考えずに本種を捕まえて みたときは、びっくりしてしまいました。 樹冠内で生活し、森林棲の鳥類に捕獲される機会が多いゆえの防御 手段なのかな…とも思いますが、これもよく分かりません。 翅といい卵の産み方といい、臭いといい、国産ナナフシ界の異端児?
でしょうか? |
昆虫
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オナガササキリです。 尾長と言いつつ尾が長く見えないのは、この個体がオスだからです。 メスは産卵管が長く、なるほど尾長だな、と思える意匠をしてます。 残念ながら、今回はメス個体には出会えませんでした。 草薮の中で、「ジりッ、ジリッ、ジリッ」と、テンポ良く鳴いています。 あまり流麗とはいえない、ノイジーで地味な鳴き声です。 クツワムシやエンマコオロギ、マツムシなどが鳴いている場所では なかなか本種が鳴いているのに気づかないこともあります。 ぼくの耳のスペックが悪いからかもしれませんが…。 画像の個体も、鳴き声を頼りに探したわけではなく、ススキの葉の 上にいたところを偶然見つけ、撮影したものです。 眼の位置が高く、口器まで距離があるので、鼻の下が伸びたような、
間抜けのような憎めないような顔つきをしています。 オオスズメバチのような怖い顔を見た後で本種の顔を見ると、妙に 癒されます。 |
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エンマコオロギが鳴いています。 ぼくは、コオロギと言えば本種をイメージします。 今までに見たコオロギの仲間のうち、最も多かったのは本種ですね。 何処にでもいて、たくさんいて、丈夫。 飼育も簡単で(高密度で飼うと共食いしますが)、虫かごに土を敷いて、 クズ野菜と煮干でも入れておけば大丈夫で、繁殖もしてくれます。 昔はカエルやトカゲ、カマキリ等の餌としても重宝しました。 非常になじみの深い昆虫です。 秋が深まってきて、朝晩ともに涼しくなってくると、各所の茂みから 鳴き声が聞こえてきます。 擬音化しようとすると、「キュリキュリリ」「キリリリ」「テュリリリ」 「リュルルル」と、色々と浮かんで参りますが、果たしてどれが本物に 近いやら。 「コロコロリ」は昆虫図鑑などでもよく掲載されていますが、ぼくには どうしてか「コロコロリ」とは聞こえません。 虫の言語(と言えるほど高度なものかは解りませんが)を無理やり日本語的 発音に置き換えようと言うのですから、そもそも適確な擬音語というのを 造ることに無理がありそうな気もします。 が、何とか再現度の高いものを造りたいと思うのも人間の性。 ウグイスの「ホーホケキョ」なんて、誰でも納得する擬音化をした方の センスに敬服してしまいます。 鳴き声ついでにお話しますと、むかしちょっと面白い実験をしたことが ありまして… いわゆる鳴く虫のほとんどは、翅と翅をこすり合わせて音を出します。 摩擦音なんです。その原理は、よくバイオリンに例えられますね。 小学館などの学習図鑑には、その説明も載っていたように思います。 では、摩擦が無くなる(少なくなる)とどうなのか。 そう思い、本種♂の翅に、CRCを垂らしてみたことがありました。 軋んだ音を立てる器具にCRCを垂らすと、引っかかるような摩擦がなく なり、不快な音波が軽減されます。 こいつをコオロギの翅に垂らせば、摩擦がなくなって音が出なくなるの ではないか、♂のコオロギはいくら頑張っても音が出ず、慌てふためく のではないかと、小学生のぼくは思ったわけです。 全体に噴霧すると死亡しそうなので、面相筆にとり、オスの前翅に塗布 します。するとどうなるか。 オチとしてはつまらないのですが、音がなくなりはしませんでした。 何の変化のないものもいましたが、音が曇った様に変化しているものも いました。 しかし、摩擦が低減して音質が変わったのか、潤滑油を塗布されたのを 気にして妙な鳴き方になってしまったのかは不明です。 きちんと塗布できていたのかも怪しいところですが。 (褒められたものではない試みですが、機会があればまた試してみたい 気もします…が、実験台になるコオロギにも申し訳ないし…) と、そんな経験もあって、本種への親近感?が大なのですね。 話がそれました。 画像上がオス、下がメスです。三枚目は頭部のアップ。 何処でも見られると前述しましたが、正確には北海道北部や南西諸島など、 温帯から離れた気候帯の土地では分布しないようです。 「エンマ」の名の由来は、頭部(顔)の模様が閻魔様の怒った顔に似ている
(具体的には、複眼の周りに淡色の隈取り模様があって、複眼上部の模様は 吊り上った眉に見える)からだそうです。そう言われるとそう見えてきます。 国内で見るコオロギの仲間では最大となる種で、体つきもずんぐりしており、 強健な印象を受けますね。 「エンマ」の名を受けるにふさわしい種だと思います。 |
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草薮の中から、「チッチリリン」と言う甲高い鳴き声が聞こえます。 |
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近所の公衆便所の壁にホタルガがいました。 |


