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皆さんはムカデに噛まれた経験をお持ちでしょうか。
10cm程度以上のオオムカデ類-トビズムカデ、アオズムカデ等に
噛まれると、その部位が大きく腫れ、数日間は疼痛に苛まれます。
ぼくは大型の個体に噛まれた経験はありませんが、小学生の頃に
5-6cmのトビズムカデに手の親指の付け根を噛まれ、指のサイズが
1.5倍程度になり、このまま治癒しなかったらどうしようと心配を
した記憶があります。
ムカデの毒は外敵に対する防御にも用いられるのですが、本来の
用途は、餌となる小型の動物を確実にしとめ、また摂食を容易に
するためのものです。
毒成分を調べてみると(自分で分析できるわけでもなく、文献調査
ですが)、ヒスタミン、セロトニン、タンパク質分解酵素、ヒアル
ロニダーゼ、p-ベンゾキノン誘導体、サッカラーゼ、ヘモリジン
等が挙げられています。ちなみに、酸性毒です。
ヒスタミン、セロトニンはハチ毒にも含まれています。昆虫毒の
中でも、効果的な配合なのでしょう。炎症の引き金となります。
量が少なければ炎症と疼痛で済むのでしょうが、多ければショック
症状を起こすことにもなると。
ヒアルロニダーゼはヒアルロン酸を分解する酵素のようで、組織
内での毒の浸潤を促進するようです。
タンパク質分解酵素は、その名の通り、体組織の構成材料である
タンパク質を分解していきます。噛まれた方は組織が破壊されて、
ますます炎症・疼痛が進行することに。ムカデにとっては獲物を
食べやすくするための下ごしらえに。
サッカラーゼは糖類(サッカロース)の分解酵素なのですが、どう
毒性を発揮するのか分かりません。捕獲した餌生物の体内にある
糖類を吸収しやすくするため?
ヘモリジンは溶血素とも呼ばれ、一般的には黄色ブドウ球菌等が
出す毒素で、赤血球を破壊するなどの作用を持ちます。これも、
炎症とともに組織破壊を促し、毒の浸潤を助ける、と。
p-ベンゾキノン誘導体は何をするんでしょうね。
キノンは酸化剤であったり、タンパク質と結合したりするので、
生体内でも何らかの作用をするのでしょうが、わかりませんね。
昆虫毒(ムカデ類は昆虫ではありませんが)は毒のカクテルと比喩
されることも多いのですが、言いえて妙、という感じですね。
画像はトビズムカデ、概ね13cm程度はあったと思います。
夜間には画像の用に徘徊したり、樹上で待ち伏せをしたりして、
昆虫等小形動物を捕食します。
6/10追記:
トビズと思っていましたが、知人からアオズではないかとの指摘
がありました。トビズにしては、頭部の色が暗いと。
なので、頭部のアップを画像右下に掲載してみました。
言われてみると、トビズにしては黒っぽいが、しかしアオズにして
は赤っぽい。
アオズとは亜種の関係にあるので、中間的な特徴の個体がいても
不思議ではないのでしょうが。
Scolopendra subspinipes sp.としておいた方がよいのかな。
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