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2010.09.21 世界一周の旅 188日目 いまパラグアイにいる。
先週、パラグアイに入国し、そのままブラジル、アルゼンチン、パラグアイの三か国国境まで行き、戻ってきた。
ブラジル、アルゼンチン、パラグアイの国境が交差するところに、イグアスの滝があり、行ってきた。
パラグアイからブラジルに入り、その後アルゼンチンに入国。
そのあとまたブラジルを通過してパラグアイに戻る、というなんとも面倒な場所である。
イグアスの滝は言わずと知れた大瀑布で、連日、世界中から多くの観光客が訪れる。
ブラジル、アルゼンチン両国とも国立公園として整備されたそのエリアは、昼間はさながらテーマパークのようである。カラフルで陽気な絵が描かれたバス、観光列車、ファストフード店、川下り、遊覧飛行などのさまざまなアクティビティ。群がる観光客。
雄大な自然を見せ物に、人々がお金儲けの手段としてイグアスの滝を利用しているのがあまりにも露骨で、少し興ざめしてしまう。しかし、肝心の滝はやはりすごい。その規模、水量の多さ、迫力はさることながら、何よりもその数々の滝の配列が美しい。意図しても作れない。自然だけが作り出せる自然の美しさがそこにはある。
滝は、訪れる無数の観光客の気持ちや、滝をテーマパークのように仕立て上げる人間の意図などを、まったく意に介せず滔々と流れ続ける。
自然はいつもそうである。ボクら人間のすることなど、全く異に介さず、あるがまま。
冷たくもあり、温かくもある。
雄大な自然の風景にであった時に僕がいつも感じることが、イグアスにもあった。
昼間は多くの人々でごった返すこのイグアスの夜の表情を見てみたいと思い、夕方には閉園してしまう国立公園内にひっそりと居残り、夜を待った。
この日は満月。
僕ははじめから満月に照らされるイグアスを見るためにその日を選んだ。
太陽が西のジャングルの向こうに沈むと、東のジャングルから満月が静かに浮かび上がる。
月明かりを頼りに数キロの道のりを歩く。昼間とは打って変わり、そこには人影ひとつなく森の鬱蒼とした呼吸とそこに潜む獣たちの気配が暗闇を埋めている。
滝に近づくにつれて、すこしずつ、その連続する爆発音のような滝が流れる音が聞こえて来る。そして最後のトレイルを歩き抜けると、眼前に現れたのは、月明かりに照らされて黄金色に輝くイグアスだった。
僕は正直、本当にその闇の向こうにイグアスが存在するのかどうか不安だった。僕は時々、「ボクらが見ていない時に、そこにその風景は実際に存在してるのだろうか」と思う時がある。
誰も知らない場所で、誰も知らない時に、誰も知らない風景がそこに確かにあるのだろうかと。もしかしたら僕がそこに足を踏み入れた瞬間に、どこか違う世界からこちらの世界に現れて、僕にその姿を見せているのではないだろうか。そうやって時々思うのである。
しかし、この夜、イグアスは確かにそこにあり、闇の中に大量の黄金を垂れ流すように滔々と流れていた。それを眺めている人間はぼくひとりだけ。
僕は正直、このとき、この夜のイグアスが怖いと思った。満月と言えども視界は限られている。そして、大量の水が流れ落ちる音は周囲の音をすべて吸収して、その音以外は何も聞こえない。視覚と聴覚を奪われ、滝の莫大なエネルギーがすぐ目の前で爆発し続けている。
その夜の滝の美しさと、変わらぬ力強さの前では、視覚と聴覚を持たない人間はあまりにもちっぽけに思えた。
自然は怖い。
久しぶりに感じた感覚だった。かつてはよく感じていたような気がする。深い海がたたえる濃紺を眺めているとき、台風で荒れ狂う海の音を聞いているとき、何処までも続く夜の砂漠で迷ったとき、雨が降る山奥のテントの中で凍えているとき。その時々に感じていたことが久しぶりに心のなかで蘇った。
その感覚を自分の中で処理するのに少し時間がかかった。
僕は滝を眺めながらしばらく心の整理をした。自然が怖いと感じた時、大切なことがある。
それは、自然の大きさを認め、その前における自分自身の無力をきちんと自覚すること。
これは僕が海の中で学んだことのうちのひとつである。
海の中ではこのことを自覚していれば、よほど不運なことがない限り、海に飲み込まれることはない。それを夜の滝の前で実践した。そして、写真を撮った。
この夜、僕はイグアスの滝でぼくは久しぶりに納得いく写真が撮れた。それは、自然に対して素直に怖さを感じたことと無関係ではないだろうと思う。
写真とはつくづく、自分の心次第だと改めて感じさせられた夜だった。
それしても、月明かりに照らされたイグアスは美しかった。
まるで月が溶けて流れ出ているかのようだった。
写真は夜のイグアス。
僕はブラジル側の夜のイグアスを勝手に訪れたが、アルゼンチン側では満月の前後5日間、晴れていれば月明かりに浮かぶイグアスを見に行くツアーがあるので、興味のあるひとは行ってみては。
うるま
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イグアス 朝靄の中一瞬太陽の光が差し込んだ、そんな風に見えました。夜の月明かりだったんですね。
いい写真がとれたと聞いてなんだか私も嬉しくなりました。
おっきな自然を目の前にすると、自分がとてもとても小さい存在で、地球規模で考えたら自分の悩みも落ち込みもホント小さな出来事なんだって思えて、元気になります。自然の力って凄いです。
写真を通して大自然感じてみます☆
2010/9/25(土) 午前 1:26 [ sas1 ]
イグアスの滝、見たかったんです。良かった雨が上がって。月明かりの滝は神秘的ですね。ありがとうございます。
2010/9/25(土) 午前 9:10 [ na7**8konoh* ]
ロマンチックですね。ポチ☆
2010/9/25(土) 午前 9:55
こんにちは^^
何時もながらドキドキしながら読ませていただきました。
滔々と流れるイグアスの滝…滝の音が聞こえるようです。〜☆
あらがうことの出来ない大自然を相手にする時、無力な人間は、
自然にその身を同化させ、静かに寄り添うことなのでしょうか…。
「うるま」というお名前は自然そのものですね^^
うるま様の才能は天性のお導きでしょうか…☆
2010/9/25(土) 午後 0:08
イグアスの滝、凄い。。
)と思いました。


月が溶けて流れ出ているような滝。
(あぁ。。見てみたいなぁ
私は日本で満月を見ました
光を浴びたら綺麗になれそうな気がしました
イグアスは遠いけれど、同じ月ですね。。
いつか、20年後くらいに旅行に行ける時がきたら、その時もきっと、昼間より夜のイグアスが見たいです。
納得のいく写真が、と読んでなんだかとてもうれしいです
良かったですね
2010/9/26(日) 午前 1:22 [ somari1201 ]
滝好きにはたまらない映像です。
一度でも行ってみたいです。
2010/9/27(月) 午後 0:34 [ イオナ ]
初めまして。
私もイグアスは、2回行ったことがありますがプロが撮るとこんなに素晴らしい写真になるのですね。
閉園して残っていたら捕まりませんでしたか?
2010/10/6(水) 午前 7:31 [ mis*o1*43 ]