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旅をする理由はいくつかある。まだ見ぬ世界を見たいため、刺激がほしいため、好奇心が体を動かすから。 そういったさまざまな理由でたくさんの国を訪れると、あることがだんだん見えてくる。はじめはおぼろげながらに、そして旅の回数が増えるとどんどんとはっきりしてくる。それは、日本という国、僕という日本人。 僕は日本以外の旅をすることによって、世界の多様性、広さを知り、そしてその比較として日本という国を知る。いろんな国の人々と出会い、話し、その考え方を理解することによって、自分の日本人としての考え方を知る。 旅はそういった自己のアイデンテティをよりはっきり自覚するための作業である。 旅をするのは世界を知ることではなく、日本を知る工程なのであり、いろんな文化に触れ人々に出会うことは、自分自身を知ることなのである。 今回ネパールを旅して僕が学んだことは、現代という時代に生きる現代人の自分。 カトマンズ、パタン、バクタプルはネパールの三大古都と呼ばれている。それぞれに数百年前に建てられた旧王宮が存在し、その旧王宮を囲むように発達した町並みもそのまま残されている。 人々の生活も、そこから生まれる文化も連綿と引き継がれており、狭い路地をいくつも曲がり、観光客が訪れないエリアにたどり着くと、そこには現代的なものは一切存在しない。 そういった街中をあてもなく歩いていると、自分の存在がひどく浮く。風景は僕をそこに馴染むことを拒否するし、人々は僕を異質な存在として認識し、絶対にその心の壁を乗り越えることはできない。明らかに僕は21世紀を生きる現代人であり、テクノロジーの先進国である日本で生まれ育った紛れもない現代人のサラブレッドであることを痛感させられる。 幸せとはなんだろうか?過去を生きた人々の幸福感と、現代を生きる人々の幸福感を相対的に比較するとどうなるんだろうか?と考えた。先進国と途上国とは、物質的な満足度をもとに、先を行く先進国側が勝手にその他の物質的に劣る国を、遅れているという意味で見下す意味で途上国という烙印を押しただけで、精神的な満足度は果たしてどうなのだろうか? 自殺が交通事故より多い国が、小中学生が連鎖的に自殺をする国が、果たして精神的な先進国なのだろうか?それが現代という時代なのだろうか?とかとか。 そんなことを一枚目の写真を撮った場所で、この風景を見ながらしばらく考えていた。 「離れることにより二人の距離は縮まり、愛は深まる」というような言葉を、とある本で読んだ。素敵な言葉だと思う。 「世界を知り日本を知り、異文化に出会い自分に出会う」改めてそう感じたネパールの古都であった。 最近は話が堅いですね。今度は軽い感じにします。次回はネパールで出会った人々です。 うるま
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Blog-2006
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今日、ネパールから戻った。 普段の自分のフィールドとまったく違う世界に足を踏み入れた2週間の旅。今日から写真つきで、その旅の話をして行こうと思う。 正直、何から話そうか迷う。バクタプルの古い街並みのなか500年前にタイムスリップしたこと、チベット仏教の聖地ボダナートで巨大なストゥーパ(仏塔)の上で昼寝して怒られたこと、夜のカトマンズの喧騒のなか夢中で歩き回ったこと、アンナプルナの山奥で山岳民族のお祭りに参加し無理矢理踊らされそうになったこと、毎日3食カレーばっかり食べて体臭がスパイシーになったこと、標高3000mmの山小屋でハシシやマリファナを売りに来るオヤジたちとの攻防とその誘惑、などなど。 たくさんの刺激と出会いで構成された世界の中を、何を道標にするでもなく、ただひたすら好奇心の赴くまま、西へ東へ歩き回った。程よい疲れが体を支配し、頭の中はネパールの世界で満たされる。そして、僕という人間の存在は概念的なものとなり、ネパールという抽象的な存在と融合し、その一部となる。そんな経験をたくさんした。 そのなかで、今回の旅のハイライトとも言うべき、ヒマラヤ・トレッキング。向かうのはアンナプルナ連峰。標高8,091 m。1950年フランスの登山家が、当時、人類史上初となる8000mを超える世界にその足跡を残した山。 といっても僕がそんなところに行ける訳はなく、その山々を取り囲む標高3000〜4000mの山のトレッキングコースをたどる。 カトマンズから移動も含め、トータル7日間を費やしたこのトレッキング。その中で最も印象的だったのは、3日目。 アンナプルナ峰からマチャプチャレ(6993m)へと続く大パノラマが望めるプーンヒルに早朝4時、ゴレパニのロッジを出て向かう。ひたすら上ること1時間弱。 空は黒から濃い紺色へと移り変わり徐々に明るくなり始める。それと同時に、あることに気付く。空が雲に覆われている。どんどん空は明るくなり始め、次第にグレーになりはじめた。しかも、自分自身が雲の中にいるのか、視界が100mもない。 せっかく苦労してここまで上ってきたのに、見れないなんて。と思ったら、雲の隙間からアンナプルナの頂上がちらり。そうこうするうちに、雲は一気に僕の駆け抜け、目の前に突然、壮大な景色が現れた。 写真はその時のもの。写っているのは僕です。 このときの感動は大きかった。まさかこんな自然の演出があるとは思わなかった。自然というのは、まったく人間対して媚びることはなく、すべてが自然のリズムであるがまま。その自然がリズムを刻む瞬間に僕はたまたま居合わせた。 その時の雲と山の景色の劇的な移り変わりは、写真ではなく映像のほうが良く伝わっただろうと思う。 次回は、ネパールの古都を巡る話です。 ひとつ連絡。 先日のベトナム取材はウェブ用の撮影だったのだが、それがアップされたみたいなので、興味がある方は見てみてください。 うるま
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昨日、無事5日間のトレッキングから帰ってきた。 |
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昨日、今日と自転車でカトマンズ盆地を縦横無尽に走り回った。その距離、およそ60km。 |
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いま、ネパールのカトマンズにいます。 |
