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9月6日付の電通報 【広告人語】 より
猛暑。酷暑。炎暑。
連日、体が悲鳴を上げた今夏。
拙文をお読みの頃には、いくらか涼しくなっていることを願わずにはいられない。
熱帯夜を覚悟していた7月末のある晩、
NHKのニュース番組で、キャスターがこう言った。
「今年の暑さは、もはや災害です。」
そして、老人が熱中症で亡くなるケースが出ていることを指摘し、
真摯な表情でこう続けた。
「こんな時には、離れて暮らしている親御さんに電話の一本も入れて、
無事を確かめてみることもいいのではないでしょうか。」
まるで鋭いキャッチフレーズと、
実効性のある提案を含んだ優れたボディーコピー。
事実報道から半歩進み出たコメントには、
社会全体に対して問題提起できるテレビメディアの本質も垣間見た気がした。
以下は、後日談である。
その週末、私は「電話の一本」の代わりに、離れて暮らす母を訪ねた。
認知症の母は、郊外の丘の上の施設にいる。
年季の入った建物はひんやりとさえしていて、
涼しい顔の母は、坂を上ったせいで汗だくの息子を見て言った。
「無理するんじゃないよ。おまえは小さい頃から夏に弱いから。」
天候は異常なれど、母は母のままである。
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