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     〜*〜*〜*〜*〜 6/22 毎日新聞朝刊第一面【余録】より 〜*〜*〜*〜*〜










来日した物理学者のアインシュタインが関西に行く途中の汽車から

「ああ、あそこに大層不経済なものがある」といって指さした。

そこには電信柱の電灯が白昼ついていたという。

そこで誰かに「もったいない」という日本語を教わったかどうかは知らない。




谷崎潤一郎の「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」といえば、

日本家屋のうす暗がりの美をたたえた名随筆だ。

このアインシュタインの話が出てくるのは、すでに暗がりの美を忘れ、

何もかも電灯でこうこうと照らし出す近年の日本人の無神経と浪費をたしなめるくだりだ。



「近頃のわれわれは電灯に麻痺して、

 照明の過剰から起る不便と云うことに対しては案外無感覚になっている」


「待合、料理屋、旅館、ホテルなどが、一体に電灯を浪費し過ぎる」


「何より彼より、一遍明りを減らしてみたら覿面(てきめん)に諒解するであろう」




これが書かれたのは74年前だから、むろん今日の「照明の過剰」は当時の比ではない。

ならばここで一遍明かりを減らし、

そこで地球環境問題に思いをめぐらしてはどうかという夏至のキャンペーン

「100万人のキャンドルナイト」 が今年もきょうから24日にかけて行われる。




市民団体と環境省が連携して4年前から始まったこのキャンペーンだが、

期間中は毎夜各地で多彩な催しがある。

とくに24日夜8時から2時間のライトアップ施設の消灯には

全国6万施設以上が加わる見通しだ。

主催ホームページは家庭にも無理のないかたちで消灯を呼びかけている。




この世には夜の暗がりでしか見えないものもあるのだろうか。

そこではふだん光の中に埋もれていた感覚やアイデアと出合えるのか。

「陰翳礼讃」は、こう結んでいる。


「まあどう云う工合になるか、試しに電灯を消してみることだ」








100万人のキャンドルナイトHPはコチラ ⇒ http://www.candle-night.org/home.html

〜*〜*〜*〜*〜*〜  2/14 毎日新聞朝刊余録より  *〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜






「もし自分だったらどうするだろう?」。


そんな問いを胸に突きつけるニュースがある。


自殺しようとする女性を身をていして助け、自らは電車にひかれた交番のお巡りさんの行動も、

私たちの心にいくつもの自問を呼び起こした。



その警視庁板橋署常盤台交番の宮本邦彦巡査部長が意識不明のまま亡くなった。


この間、交番の近所の住民からは

140件を超える励ましの手紙やメール、千羽鶴や花束が届けられ、

訃報が伝わってからは記帳の人々が交番を次々に訪れたという。



聞けば、亡くなった宮本さんは近くの常盤台小学校の子供らにとっては、

けがをしたとき手当てをしてくれたり、

自転車の故障を見てくれる「優しいお巡りさん」だったという。


千羽鶴も子供たちが自発的に委員会を作り、全校児童が1人2羽を折って交番に届けたものだった。



子供や地域住民に愛されるお巡りさんのいた街は、

また安心のぬくもりに包まれた街だったろう。


体感治安の悪化が論議されるこの時代、宮本さんを悼む住民らの声は、

信頼できるお巡りさんのいる交番が

監視カメラやハイテク通報システムには代えられないことを物語っている。



起源をたどれば江戸時代の自警制度である自身番や木戸番にまでさかのぼり、

今では海外にまで広がった交番である。


先年「空き交番」が大きな社会問題となり、その改善が目指されているのも、

日本人の治安意識に交番が深く根づいているからだろう。



宮本さんを線路に踏みとどまらせたのは、

警官としての使命感か、

ただ目前の命を救いたいとのとっさの思いか。


もう当人の口から聞けない。


だが、その交番のお巡りさんとしての行動は、

どんな法や正義より奥深いところで

人の世の秩序を支えているものを教えてくれた。

フキノトウ

〜*〜*〜*〜*〜 2/1 毎日新聞朝刊余録より 〜*〜*〜*〜*〜







今週末はもう節分、日曜日は立春だ。


ちょうど今頃の春を待ちわびる言葉に「春隣(はるとなり)」がある。


「冬ながら春のとなりの近ければ 中垣よりぞ花は散りける」


という古今集の歌では、

雪を花に見立てて春を待つ気持ちを表している。



この暖冬とあっては雪どころか梅をはじめ本当の花便りが行き交う今年だ。


例年いちはやく春の訪れを告げるフキノトウが

地面から顔をのぞかせたというニュースは、すでに宮城県や新潟県からも届いている。


フキの根茎から葉っぱより先に生える花のつぼみがフキノトウである。



てんぷら、みそ汁の実、フキみそなど、

古くから日本人の食卓に春の息吹を伝えてきたフキノトウの香りと苦みだ。


とくに冬になまった体を引き締める苦みはポリフェノール類などのせいで、

実際に新陳代謝を高める効果や健胃作用があるそうだ。



その上、せき止めなどの薬効や、さらに花粉症に効く成分も――となれば、

昨今世間を騒がせるテレビ番組の健康情報のようになるから要注意だ。


問題の番組では納豆に続き、

レタス、小豆、ワサビやレモンでも健康への効用を誇大に仕立て上げていたことが

相次いで報じられた。



ちなみにフキノトウには発ガン成分も含まれる。


これは調理すればほとんど無害になるが、

何であれ毎日大量に食べ続けないのが無難だ。


食物に一方的に効用ばかり求めるのは健康ブームの身勝手というもので、

視聴率は稼げそうにないが

「いろんな食物をバランスよく」が食の基本である。



それぞれの食文化の核心は、

酸味や苦みをどう楽しむかだといわれる。


「春の皿には苦みを盛れ」―――昔の日本人はそう考えた。


季節という大きな自然の循環を身体に取り込む感動を、

今年はフキノトウの苦みで味わってみたい。

「風の道」

〜*〜*〜*〜*〜 8/17 毎日新聞朝刊余録より 〜*〜*〜*〜*〜




「風鈴も だんまりしている 暑いこと」

は、身にまとわりつく暑気にまいったという江戸川柳だ。


「暑いこと とんぼ座敷を 通りぬけ」

では開け放った座敷をかすかな風も通り抜けただろう。


「暑いこと 枕一つを 持ち歩き」

は少しでも風通しのよい寝場所を求めてのことだ。



うだる暑さにはまず自然の風が何よりの恵みだった江戸時代である。


その涼風は江戸の街を走る河川や水路、さらに幕末の英国公使オールコックが

「江戸ほど緑を楽しめる街はない」

といったほどの豊かな緑地や森林から吹いてきたものだった。



しかし東京ではこの100年間で平均気温が3度も上がった。


しかもうち2度分は都市化の影響、ヒートアイランド現象によるという。


さらに最近の東京都心では

汐留の超高層ビル群が海からの冷気をさえぎって予想外の気温上昇まで起こっている。



ならば街づくりに工夫をこらし、

緑地や水面の冷気を導き入れて市街地を冷やそうというのが

「風の道」といわれるアイデアである。


もともとドイツのシュツットガルト市が大気汚染と市街温暖化への対策として都市計画に取り入れ、

有名になった。



環境省が来年度から取り組む東京都心の「風の道」計画は、

皇居の緑地の冷気を日本橋、八重洲、銀座のビル街に送り込もうというものだ。


風の道となる街路は保水性の舗装にし、街路樹や噴水を設置する。


周辺ビル屋上の緑化も進め、

実現すれば約2度の気温低下が見込まれるという。



せっかく街を冷やしてくれていた「風の道」をふさがない周到な街づくりも必要だろう。


何とか風の通る場所を見つけては夏をしのいできたご先祖をもつ日本人ではないか。


「風通し」こそが現代都市の必要条件になっていることに、もっと早く気づいてもよかった。

「もったいない」

〜*〜*〜 7/4 日経新聞朝刊1面の"春秋"より 〜*〜*〜







「生きかわり 死にかわりして 打つ田かな」(村上鬼城)


滋賀県知事に当選した環境社会学者、嘉田由紀子さんの好きな俳句という。


今、眼前に広がるゆたかな田園の背後にある、

連綿と続く家族と村落の営みが十七文字に凝縮しているようだ、と語っている。


嘉田さんはアフリカのタンザニアの村に半年住み込み、

川一本が文字通り命の綱という生活を体験した。


琵琶湖研究所、琵琶湖博物館では、

湧水を家の中に引き込む「かばた」や水があふれる里川など、

琵琶湖畔に残っていた人と水のごく近い関係を調べた。


水と潤いを持続できる社会の構造とは何だろう・・・・・



知事選の焦点は水でも環境でも、琵琶湖でもなかった。


新幹線の新駅やダム建設など、大型の公共工事。


このところ道を外れた利殖や、不正な利益誘導のニュースが相次ぎ、

有権者は安直な公共投資にうんざりしていたのかもしれない。


建設凍結を訴えて、自公民が相乗りする現職候補に、三万票の差をつけた。


財政問題に、環境問題のキャッチフレーズ「もったいない」を重ねて使ったのも奏功した。


今、環境や自然は、水、大気、森林といったモノを意味する言葉ではなくなっている。


思慮深く、自律的に、持続可能な社会を目指す生き方を表す。


そのへんの認識不足から、大政党はただ唖然。

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