育児から学ぶ〜It's my Life〜

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法治主義は冷たい

「法治主義は冷たい」

この言葉は高校の漢文の授業の時に国語の先生が言った言葉です。

なぜか心に残っています。

法とかルールは大切なもので、私たち皆が互いに気持ちよく生きるために必要なものです。

でも、最近、「法とかルールが先にありき」のように思っている人が多くなったような気がします。

小さい頃からルール、ル−ルと教えられ、自分の気持ちを抑えることが知らず知らずのうちに身についてしまいます。

みんなが自分の好きなときに自分の気持ちをむき出しにしたり、自分の都合ばかりで行動していれば、たちまちケンカや事故続出ですよね。

法とかルールを守るということは自分の身を守るということでもあります。

ただ、法やルールを守ることに捉われすぎて、大切な「相手を思いやる優しい気持ち」まで忘れていないでしょうか?

最近、日本人のモラル(道徳心)の低下が叫ばれていますが、法治主義への傾倒も原因の一つだと思います。

私は以前勤めていた時に、少しだけ法学もかじったのですが、その本に「規範内容としては、法と道徳は無関係」とあります。また、「法の規定は日常生活を直接に規律する規範というよりも、裁判を行うための法則である」とあります。

日本もアメリカに追随して、何でも法に訴える、法律に規定がなければ何をしてもいい、みたいに思っている人がいるみたいですが、こういう人はやはり優しいとは言い難いし、いくらお金持ちでもこういう風にはなりたくないですね。

法学の勉強の時に使った教科書というのが、
現代法学入門[第3版]伊藤正己・加藤一郎 編  有為甲斐閣双書  ですが、その本にまた、

「法と道徳は無関係なときがあるとしても、密接な関係があることは事実である。」ともあります。

その本によると、行為規範として法と道徳の差異の主な考え方は

第1に、法は人間の外面的な行為に関係する規範であるのに反し、道徳は人間の内心に関係する規範であるという説明がある。(中略)しかし、法が外面性にのみ規律を及ぼし、道徳が内面性のみの当為の法則であるということはできない。

法もまた人の内心の意思にかかわりをもつことが少なくない。
道徳の内面性、法の外面性という区別はいちおうの差異を示すが、決定的な違いとはいえないのである。

第2に、道徳上の義務は片面的であって、義務履行の相手方として特定のものがなく、しいていえば良心に対する義務、神に対する義務という象徴的な相手方をえらぶほかはない。これに対して、法的義務には
相手方である権利者があるといわれる。

第3に、両者は義務づけの仕方が異なり、道徳の場合には、返すべき物を感謝して返すというように、義務感情をともなった動機にもとづくことまで要求されるが、法は、ともかく返還するという法規範に従いさえすれば満足するといわれる。

以上のように法と道徳との区別の説明は、法の規範としての性質を明らかにするのに有効である。しかし、法と道徳との本質的な相違をとらえることはできないようである。

法は社会秩序の維持のための最小限度の必要をみたす規範であり、これらの規範は、構成員の順守が強く要求され、そのために、もし違反が行われたときには、力による制裁を加える必要がある。その意味で、法は社会における組織された力による強制と結びついた行為規範であるということになる。

難しい文章を引用しましたが、法と道徳との本質的な相違をとらえることはできないとはいえ、法で縛ったからといって、道徳心が向上するわけではなく、道徳は、法の規定にはない日常生活を直接に規律する規範で、人間としての良心にもとづく当為の規律の妥当の度合いが高められることによって、道徳の規範の持つ拘束力は強められるというように、人間としての良心がより強く求められます。

今、教育基本法の改正など教育やモラルについて考えさせられる事が多いですが、

道徳心の向上には人間としての良心が欠かせません。

それは学校教育でも伝えることができるとは思いますが、まずは大人の日常のあり方ではないかと思うのです。

口先だけで実行が伴わないことには子供は敏感です。いくら教育改革と声を高めても、日常の大人社会で良心に欠け、責任転嫁や自己保身ばかりでは本当の改革はできないと思うのです。

私たち一般市民も政治家に任せっぱなしではなく、まずは自分の行動から、良心に従い、少しずつでも理想に近づけるように変えていく必要があるのではないかと思います。

ルールばかりに縛られて、他人を思いやる心、優しさを忘れている余裕のない大人が多いですね。
そういう姿は確実に子供にも伝染しています。

あと、法のように、ルール違反だからといって、すぐに力による制裁を加えてしまう社会、嫌ですね。
「やられたらやり返す、目には目を」という考えは幼いですね。

過去の事実は変わらない、嫌な思いは自分が引き受け、周りには伝染させない、強さ、優しさをみんなが
持つことができたら、どんなにいいでしょう。

理想は高いですが、自分から変わっていきたいと思っています。

あと、叱られるから、罰せられるから、捕まるから悪いことをしたらいけないのではないことを子供には肝に銘じて欲しいと思います。

なぜダメなのかを自分で考えてみたり、親子で話し合ったりするのもいいですね。

よく犯罪者などで衝動が抑えられない時に、犯罪を犯すまでは「捕まるから」我慢していた、というのを聞きますが、それを我慢して爆発して犯罪を起こしてしまったのです。

まずは悪の衝動を起こさないのが一番ですが、少しでも心に魔がさしたら、それに気づき、他の方向へ向ける知恵をつける、爆発するまで溜め込ませないということも必要ではないかと思います。

閉じる コメント(7)

日本のこれまでの教育で問題なのは、道徳教育を軽視してきたからだと思います。外国では宗教が道徳規範の大部分を占めることが普通ですが、日本では、それほど宗教色の強くない道徳概念があります。戦後、道徳教育は軍国主義に繋がるとして、教育の中で軽視されてきましたが、道徳のいい部分も含めて全て否定されてしまったことが今の世の中の種々の問題の起因になっていると思います。日本における、あるべき道徳概念というものを冷静に議論すべきだと思いますね。 法治主義は社会ルールとして必要かもしれませんが、定められた法の本来の趣旨を踏まえた上での運用が必要なのだと思います。

2006/5/29(月) 午後 9:02 [ cor*0*7 ]

道徳観念を個人に委ねすぎるのもどうかと思いますね。誤った個人主義の蔓延で社会性を失うと、秩序まで保たれなくなると思います。今は戦後与えられた自由をもてあまし、迷走しているのでしょうか?確かに現代では通用しない道徳観もありますが、後世に伝えていくべきいい道徳もありますよね。オール・オア・ナッシングではなく、道徳観の再構築が必要ですね。国会も何でも議論もほどほどにスピードと結果重視に走っているのでここにも問題がありますね。結果が全てではなく、議論したりする過程も大事だと思います。

2006/5/29(月) 午後 10:10 ZZZ Clown

河合先生の本で、日本は宗教のバックグラウンドなしに西洋の個人主義だけを輸入してこうなった、といってました。道徳性を子どもに伝えるのは、本当に難しい。やはり親の優しさが第1だと思います。優しく愛情を浴びて育ってはじめて人に優しくできるのですから。でもまず親自身が精神的に大人で、安定していないと難しいかも。反省です。子どもの生い立ちを省みずに、罪を大人レベルで罰しようとする今の趨勢は、冷淡、自己中でいやですね。

2006/5/30(火) 午後 0:08 ぱーぷるふぃんがー

『人間としての良心』・・・常に(心構えの)理想は高く持ちたいですね。悪の衝動を抑えるための知恵をつける・・なるほどですね。

2006/5/30(火) 午後 3:30 [ ちさと(*∂。∂*) ]

ぱーぷるふぃんがーさま>今国会の、教育基本法の改正の議論でも、宗教教育のことが話題になりましたが、学校で教えるのは外枠だけ。道徳心の中身は実際の生活の中で身につけるしかないですよね。最初は親が、次に学校内や社会で。子どもには受けた愛情に気づくような、感謝のできる人間になってほしいと思います。責任の所在を特定の人に押し付けるよりも、犯罪を起こさないような社会にする責任が全ての大人にあるという自覚を持つことが大事だと思います。

2006/5/30(火) 午後 8:56 ZZZ Clown

ちさとさま>理想を相手に求めるのではなく、自分に求めるほうが嫌味な人間にならずにすむような気がします。ただ、理想と現実のギャップに自己嫌悪に陥らないように気をつける必要はありますが。私はどうしようもなく腹がたったときは、文句を言いながら、クッションを叩いたりしてました。

2006/5/30(火) 午後 9:07 ZZZ Clown

初めまして。当方での記事アップ時の「こんな記事もあります」の一覧に出ていたので、辿って来ました。
少々記事論旨から逸れますが、どうか御勘弁下さい。

法治主義は重要です。支那や朝鮮のような人治主義にならない為にも。
ですが法治主義よりも先に、「法(國體、コモン・ロー)の支配」が基盤にないといけません。
それがないと結局は、「法の支配なき法治主義」となってしまいますからね。

簡単に言うなら、「法の支配」に支えられたのが「良い法治主義」で、それを欠いたのが「悪い法治主義」という事になるでしょうか。
「法の支配」の下では、「悪法は無効なり」「悪法には従わずとも良い」となります。
つまりコモン・ロー(法、國體)に反する法律は、無効となります。

2011/9/5(月) 午後 2:19 [ - ]


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